バルジ領域をターゲットとした蓄熱式レーザー脱毛とは
公開日:2020年06月24日 更新日:2023年04月26日
医療脱毛には蓄熱式レーザー脱毛と単発式レーザー脱毛があり、どちらを行っているのかはクリニックによって違います。
自分に合った脱毛方法を選ぶためには、蓄熱式レーザー脱毛と単発式レーザー脱毛の仕組みや痛み、効果などをきちんとチェックすることが大切です。
この記事では、蓄熱式レーザー脱毛の特徴や効果を単発式レーザー脱毛と比較しながら解説します。
この記事を読むことで、蓄熱式レーザー脱毛の理解が深まり、下記のような疑問や悩みを解決できます。
こんな事がわかる
- 蓄熱式レーザー脱毛と単発式レーザー脱毛の仕組みはどう違うの?
- 蓄熱式レーザー脱毛にはどんな痛みがある?
- 蓄熱式レーザー脱毛でも毛周期に合わせて脱毛しないといけないの?
- 蓄熱式レーザー脱毛の効果はどれくらい?
目次
蓄熱式レーザーと単発式レーザーの脱毛の仕組みの違い
単発式レーザー脱毛は、毛が生えてくるもとである「毛母細胞」のメラニン色素に熱を加え、破壊することで永久脱毛を促します。それに対して、蓄熱式レーザー脱毛では「バルジ領域」と呼ばれる発毛因子を送り出す細胞に熱を加えて破壊していきます。
簡単にすると、実際に毛をはやしてくる「毛母細胞」に対して、毛をはやせと命令する部分が「バルジ領域」です。「バルジ領域」は「毛母細胞」よりも皮膚の表面から近い真皮層とよばれる部分にあります。
蓄熱式レーザー脱毛では、この「バルジ領域」をターゲットにして熱を繰り返し加えて、発毛因子をストップすることで毛が生えなくする方法です。たとえていうなら、単発式レーザー脱毛は、植物の根っこからなくしてしまうのに対して、植物に水を与えないで植物を枯れさせるのが蓄熱式レーザー脱毛です。
蓄熱式レーザー脱毛の痛みについて
蓄熱式レーザー脱毛のメリットとしては、「比較的痛みが少ない」ことがいえます。「バルジ領域」は根っこである「毛母細胞」よりも浅い部分にあるため、レーザーの強さが弱めでも、効果を発揮することができます。
また、単発式レーザーは深いところにある「毛母細胞」を破壊するため、毛が200℃にもなるような施術であるのに対して、蓄熱式レーザー脱毛では「バルジ領域」を破壊するために、弱いレーザーを繰り返し同じ部位に当てていくことで、肌の温度を60℃程度まで引き上げていく方法になります。
60℃まで引き上げるとバルジ領域の細胞は十分に破壊される強さになりますが、単発式レーザー脱毛の時よりも高温にはならないため、一般的には熱による刺激も軽くなるといわれています。
そのため、最近は単発式レーザー脱毛でも痛みを軽くするため、ライトシェア・デュエットのように吸引しながら皮膚を引き上げ皮膚へのダメージを軽減したり、冷却装置による熱刺激をおさえたりといった工夫もされています。
また、蓄熱式レーザー脱毛も痛みがまったくないというわけではありません。レーザーによって熱を加えているという点では、単発式レーザー脱毛も蓄熱式レーザー脱毛でもかわりません。
特に、毛の濃い部分や密集している部分ではやはり熱刺激が加わりやすくなるため、蓄熱式脱毛でも多少の痛みは感じます。よく単発式レーザー脱毛の痛みは「輪ゴムではじかれたような痛み」としてたとえられますが、蓄熱式レーザー脱毛の痛みは「熱い飲み物を入れたマグカップを肌にあてられた時の感覚」に近いとされています。
また、蓄熱式レーザー脱毛では、くりかえし同じところに熱を加えて「バルジ領域」を破壊するために、何度も同じところをマシンが往復します。「すね」や「ひざ」のように骨が近い部分になると、機械に肌を当てながら往復させていくので、機械がゴリゴリと当たる刺激も加わることもあります。
蓄熱式レーザー脱毛での毛周期は関係ある
蓄熱式レーザー脱毛のメリットとして、「毛の周期に関係なく脱毛することができる」をあげているサイトもあります。それは、蓄熱式レーザー脱毛が、単発式レーザー脱毛のように毛のメラニン色素に対して反応させている仕組みではなく、肌に熱をためていくレーザーを照射するからという理由です。
しかし、実際には蓄熱式レーザー脱毛で使われているレーザーも、ダイオードレーザーをはじめYAGレーザーやアレックスレーザーなど、単発式レーザー脱毛と同じものを使用しています。毛のメラニン色素に反応することで熱を発生させ、「バルジ領域」に熱を与えるというメカニズムには変わりはありません。
そのため、肌全体に熱が蓄えられるというわけではなく、メラニン色素の多い、毛の生えている周囲の部分にのみ熱が加えられるので、ある程度は毛が生える毛周期に合わせる必要があるといえます。
蓄熱式レーザー脱毛は効果の実感が薄い
蓄熱式レーザー脱毛のデメリットとしては、「効果の実感が遅い」ことがあげられます。単発式レーザー脱毛では、毛をつくる細胞である「毛母細胞」に直接はたらきかけるため、レーザー脱毛した後、2週間くらいで毛がするすると抜けていく感覚が実感できます。
蓄熱式は発毛因子を出す「バルジ領域」にじんわりと熱を加えていく方法のため、レーザー脱毛した後もすぐに毛が抜けるというわけではありません。たとえていうなら、植物から根っこを引き抜けばすぐに植物は枯れてしまいますが、植物に水をあげなくても、しばらく植物は生きているのと同じです。そのため、蓄熱式レーザー脱毛は、単発式レーザーと比較して、実感として脱毛された感覚が得られにくいといった点があります。
蓄熱式医療脱毛・エステ脱毛をすると永久脱毛できなくなる理由
ライトシェア・デュエットとメディオスターNexT・Proの比較
最後に当院で採用しているライトシェア・デュエットと蓄熱式レーザー脱毛の代表格であるメディオスターNexT・Proを比較してみます。
ライトシェア・デュエット | メディオスター NeXT・Pro |
|
---|---|---|
レーザーの種類 | ダイオードレーザー(単発式) | ダイオードレーザー(蓄熱式) |
痛み | 〇 200℃近くまで上昇する。 冷却機能で素早くダメージを軽減される。 「輪ゴムではじかれたような痛み」に似ている。 |
〇 60℃近くまで上昇する。 「熱い飲み物を入れたマグカップを肌にあてられた時の感覚」に似ている。 部位によってはマシンが往復する時の痛みが生じる |
毛質 | 〇 剛毛~産毛まで対応 |
〇 剛毛~産毛まで対応 |
敏感肌 | 〇 | 〇 |
効果の実感 | 〇 1回〜2回で効果を実感できる。2週間くらいでスルスル抜けてくる。 |
〇 3回〜4回くらいで効果を実感できる。1か月くらいかかる。 |
施術時間 ※全身脱毛 |
〇 1回90分くらいが目安。Wデュエットにして45分に短縮できる。 |
〇 一般的には1回90分くらいが目安。 |
【まとめ】バルジ領域をターゲットとした蓄熱式レーザー脱毛とは
蓄熱式レーザー脱毛と単発式レーザー脱毛のそれぞれの特徴や違いについて解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか?
この記事のポイント
- 単発式レーザー脱毛が毛を生やす元となる毛母細胞を熱で破壊するのに対し、蓄熱式レーザー脱毛は毛を生やせと命令するバルジ領域を熱で破壊する
- 蓄熱式レーザー脱毛は単発式レーザー脱毛よりも痛みが少なく、熱い飲み物を入れたマグカップを肌にあてられたような感覚がある程度
- 毛周期に合わせて脱毛する方が、脱毛効果を得られやすい
- 蓄熱式レーザー脱毛で脱毛効果を実感するには、単発式レーザー脱毛よりも施術回数が必要で、施術後に毛が抜けるのにも時間がかかる
トイトイトイクリニックでは、蓄熱式レーザー脱毛ではなく、実績のある脱毛効果を実感しやすい単発式のレーザー脱毛を採用しています。
照射時の痛みについては、冷却や医療用表面麻酔などで対応することができます。
脱毛効果を早く実感したい方、永久脱毛をご希望の方は、ぜひ当院に一度ご相談ください。