医療脱毛は麻酔が必須?麻酔の種類や効果を解説

公開日 公開日:2021年08月16日 更新日 更新日:2023年01月17日

医療脱毛は麻酔が必須?麻酔の種類や効果を解説

レーザー脱毛は脱毛効果が高い分、痛みが強くなってしまうため、痛みを心配される方も多いのではないでしょうか?
しかし、医療脱毛では痛みへの対応として麻酔を使用することができるため、痛みを緩和した状態で施術を行うことが可能です。
この記事では、人が痛みを感じる仕組みと麻酔の種類や効果について解説します。
この記事を読むことで、医療脱毛で使用する麻酔について理解し、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな事がわかる

  • レーザー脱毛をすると痛みを感じるのはどうして?
  • 医療脱毛で使用する麻酔にはどのような種類があって、どのような効果があるの?
  • 医療脱毛では必ず麻酔を使用するの?麻酔なしでも施術できる?

医療脱毛で痛みを感じる理由

まず、わたしたちが痛みを感じるメカニズム、そして医療脱毛で痛みを感じる理由についてご説明します。

わたしたちが痛みを感じるメカニズム

脳はどのようにして痛みを感知するのでしょうか?
神経系は、脳と脊髄からなる中枢神経系と、感覚神経と運動神経からなる末梢神経系の2つで構成されています。
感覚神経は、体の各場所で感知した痛みや温度などの情報を電気信号にし、脊髄を介して大脳に送ります。そして大脳はその情報を分析した上で、必要な行動を起こすために運動神経に指示を送り返し、私たちが行動するのを助けます。
また侵害受容器と呼ばれる痛みの受容器は、皮膚が傷つくとシグナルを発します。そのシグナルは、感覚神経から脊髄、そして最終的には脳に伝達します。これが数分の1秒で起こっています。
痛みの信号が脳に到達すると、まず視床に送られ、そこからいくつかの異なる領域にシグナルは送られ、痛みの場所や種類が解釈されます。
視床からは、脳の感情中枢である大脳辺縁系にも信号が送られます。痛みに関する感情は大脳辺縁系が決めています。
痛みを感知するプロセスは、単純なようでいて複雑です。例えばそのときの気分、過去の経験、期待などによって、痛みの感じ方が変わります。

なぜ医療脱毛で痛みを感じるのか

では、なぜ医療脱毛で痛みを感じるのでしょうか?
実は医療脱毛による痛みが強調されているかもしれませんが、光脱毛でも痛みは感じます。それは、脱毛時に照射するレーザーが、皮膚の色素にエネルギーとして蓄えられ、そしてダメージを与えるからです。このときの衝撃が、皮膚の侵害受容器を刺激します。
医療脱毛で利用するレーザーは、光脱毛で利用するレーザーよりも強いエネルギーを発します。その分、高い効果を期待することができますが、逆に痛みも強くなってしまいます。
そのため、医療脱毛の際は麻酔を併用することがあるのです。

医療脱毛で使用される麻酔

次に、医療脱毛で使用される麻酔についてご説明します。

麻酔(鎮静)と鎮痛の違い

まず初めに、麻酔(鎮静)と鎮痛の違いについてご説明しておきます。
両者はよく誤解されることがありますが、麻酔(鎮静)は眠らせることが目的であって、必ずしも痛みがなくなるわけではありません。
わたしたちが眠ってしまっても、強い痛みを感じたら目を覚ますのと同じように、麻酔(鎮静)をしても痛みの刺激を感じることあります。
薬のなかには、麻酔(鎮静)と鎮痛を併せ持つものもありますが、眠らせることが目的なのか、痛みをとることが目的なのかは本来区別が必要です。

医療脱毛で使用される麻酔の効果〜吸入薬

病院で手術を行うとき、主に用いられているのが吸入麻酔薬です。
その多くは麻酔(鎮静)が目的であって、鎮痛作用はありません。
しかし、医療脱毛のためにクリニックで用いられる吸入薬は、軽い鎮静効果と鎮痛作用を併せ持つ笑気ガスが中心です。
笑気ガスは、別名亜酸化窒素(あさんかちっそ)と言われますが、酸素と一緒に吸うことで、恐怖感が消え楽しい気持ちになります。人によっては、軽く眠ってしまうこともあります。
また笑気ガスには鎮痛作用もありますので、子どもの歯科治療に利用されることもあります。
通常は鼻にマスクを装着し、特殊な機械から笑気ガスと酸素が同時に流れてきます。鼻で呼吸をしていると、すぐに効果が表れます。このガスは即効性がありますが効果がきれるのも速いため、治療前後の必要な時間だけ利用することができとても便利です。
昔は笑気ガスだけを吸入したことで問題が発生したことがありますが、現在は必ず酸素と一緒に吸入するように設定された機械が使われますので、問題になることはありません。
ただし、妊婦に使用することは避けた方がよいため、妊娠している可能性がある場合は、その旨を医師に申し出るとよいでしょう。

医療脱毛で使用される麻酔の効果〜クリーム

医療脱毛で、最もよく利用されるのが麻酔効果のあるクリームです。
鎮痛成分を含むクリームを施術する場所に使用します。
クリーム10g程度を限度に施術箇所に塗り、その上からラップなどで密閉してカバーします。鎮痛成分が皮膚の表面から吸収され、侵害受容器から発生するシグナルの伝達をブロックしてくれます。
効果が出るまで30分ほどかかりますので、処置が始まる前に使用を開始しておく必要があります。効果は30分程度持続しますので、施術直前にラップを剥がしクリームを拭き取れば、施術している間は十分に効果が期待できます。
なお麻酔クリームに含まれる成分に対し、アレルギー反応を起こす方がおられます。過去に麻酔薬にアレルギーを起こしたことがある場合は、事前に申し出ることをお勧めします。

その他の麻酔の効果〜注射薬

その他の麻酔として注射薬があります。この注射薬は、施術をする場所に注射する局所麻酔薬と点滴を通して血管内に投与して眠らせる静脈麻酔薬があります。
局所麻酔は施術をする場所に注射をしますので、注射をする痛みはありますが、鎮痛効果は非常に高く、その後は痛みを感じることはありません。
静脈麻酔は、使用するために一定期間の絶食時間を設けたり、使用中の麻酔の効きすぎによるトラブルを防ぐためにモニターを使用したり、準備や装備が必要となります。
ただしいずれも医療脱毛に対しては、笑気ガスや麻酔クリームを超える十分なメリットがないこともあり、医療脱毛の施術では取り扱うクリニックはほとんどないでしょう。

【まとめ】医療脱毛は麻酔が必須?麻酔の種類や効果を解説

人が痛みを感じるメカニズムと、医療脱毛で使用される痛みを緩和する麻酔について解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか?

この記事のポイント

  • 侵害受容器が痛みの刺激をシグナルに変換し、それが感覚神経から脊髄、脳へと伝わり、脳が痛みとして認識する
  • レーザー脱毛は光脱毛よりも痛みが強いが医師が常駐しているため、必要時に麻酔を使用することができる
  • 医療脱毛時の痛みへの対応として、鎮静効果と鎮痛作用のある笑気ガス(吸入麻酔薬)を使用することがある
  • 医療脱毛では、鎮痛作用のある麻酔クリームを使用することが最も多い
  • 局所麻酔薬と静脈麻酔薬をレーザー脱毛時に使用するクリニックはほとんどない

レーザー脱毛は少なからず痛みを伴いますが、必ず麻酔を使用するわけではありません。痛みが我慢できる場合は麻酔なしで施術し、VIOなど痛みが強くて我慢できない場合のみ麻酔を使用します。
トイトイトイクリニックでは、痛みの緩和に麻酔クリームを使用できますので、痛みが心配な方はカウンセリング時にご相談ください。

参考文献

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