わきが手術の後に脱毛の施術はいつからできるの?

公開日 公開日:2022年05月12日 更新日 更新日:2022年11月22日

わきが手術の後に脱毛の施術はいつからできるの?

ホルモンの影響を受け、女性でも意外に多いと言われているわきがですが、治療のために手術を受けた方がおられるかもしれません。そのわきがの術後、脇の脱毛をしたいとお考えの場合、どのくらいの期間を開けたら大丈夫なのか、気になる方もおられるでしょう。
確かに手術を受けた後、まだ充分に傷口が治癒しきっていないタイミングで脱毛の施術をすることは、皮膚によくない可能性があります。
この記事では、わきがについて少し解説をして、わきが治療後に脱毛施術を安全に受けることができるタイミングをご紹介します。
この記事を読むことで、わきがやわきがの治療法に対する理解が深まり、下記のような疑問や悩みを解決します。

こんな事がわかる

  • わきがが生じる理由
  • わきがに対する治療法
  • わきが治療によって生じうる合併症
  • わきが治療後に脱毛の施術を行う際の注意点

わきがが生じる理由

まず、わきがが生じる理由についてご説明します。
体を冷やすために、わたしたちは汗をかきます。つまり汗をかくことは、わたしたちの体にとって必要不可欠な機能なので、体には汗腺がたくさんあります。そして、汗腺には大きく分けて「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。
エクリン腺は体のあらゆるところに存在し、皮膚の表面に直接開口しています。体が熱くなると、エクリン腺から汗が分泌され体を冷やします。この汗は水分が主な成分となっており、わずかに塩分などの電解質が含まれ、基本的に無臭です。
一方アポクリン腺は、股や脇の下など、毛根が多く存在する部分に存在しています。アポクリン腺は、皮膚の表面に直接開口しておらず、毛根部に溜まってから表面に出てきます。アポクリン腺は主にストレス下で働き、無臭の汗を分泌しますが、この汗には脂肪酸などを多く含み、皮膚に付着したバクテリアと接触することで臭いが発生します。
このアポクリン腺は思春期に活発に機能するため、体臭が気になり始めるのはこの頃が多くなっています。また特にアポクリン腺の動きが活発な体質の方は、臭いも強くなり、わきがと呼ばれる状態となるのです。
ちなみに、わきがは男女ともほぼ同数と言われており、特に女性はホルモンの活動の影響を受け、生理周期に合わせて臭いの強さが変わることもあります。

わきがに対する治療法

では、わきがはどのように治療するのでしょうか?
一般的には、脇の下を清潔に保ち、制汗剤などを利用することが、最初にできることです。また生活習慣を見直し、規則正しい生活や適度な運動、バランスの取れた健康的な食事も重要です。
ただこれらに取り組んでも十分な効果がみられない場合、次に述べる積極的な治療を行うことがあります。

ワキボトックス

ボツリヌス菌と呼ばれる細菌が作る毒素を弱毒化した製品で、筋収縮を和らげる作用を持っています。
このボトックスを脇の皮下に注入すると、1週間もしないうちに汗の分泌量が劇的に減少し、脇下の汗をかかなくなります。その結果、わきが臭の改善が期待できます。ただし他の治療法と比べ効果が低く、持続は半年から10ヶ月程度と言われていますので、繰り返し施術が必要となることがあります。

ミラドライ

電磁波の一種であるマイクロ波を腋の下に照射し、アポクリン腺を破壊することで効果を得る方法です。エネルギーを汗腺に蓄えさせ、熱を生じさせて破壊をします。多少の痛みは感じますが、効果は半永久的です。

剪除法

これは手術による治療です。
脇の下を局所麻酔後に切開し、皮下に存在する汗腺を丁寧に切除していきます。可能な限り切除したのちに、切開した皮膚を縫合します。切除するために術後出血することもありますので、血液が皮下にたまらないようにドレーンを留置することもあります。
しっかりと取り切ることができれば、手術の効果は半永久的に認められます。

わきがの治療によって生じうる合併症

では、それぞれどのような合併症があるのでしょうか?

ワキボトックス後の場合

含有されているボツリヌス毒素の影響は、基本的には考える必要はありません。ただ、注射することによる皮下出血、局所の炎症が生じることがあります。

ミラドライ治療後の場合

熱エネルギーを与えていますので、局所の火傷、炎症などが生じることがあります。また出血や浮腫が生じることもあります。
稀に局所に感染が起こり、膿が溜まって切開を必要とすることも知られています。

剪除法後の場合

切開する手術後ですので、出血や感染が最も注意すべき合併症です。また、稀に神経障害が生じることや皮下にしこりができたり、傷口がひきつれる拘縮を起こしたりすることがあります。

わきがの治療後に脱毛の施術を行う際の注意点から施術を受けることができるタイミング

では、わきがの治療後、どの程度の時間が経てば、脱毛施術を受けることができるのか、そのタイミングをご説明します。

ワキボトックス後の場合

副作用として生じることのある出血や炎症は、通常は1週間程度で治ります。
従って、ワキボトックス後であれば最低でも1週間以上、できる限り2週間以上の期間をあけて、脱毛の施術をすることが一般的です。

ミラドライ治療後の場合

ミラドライ後に生じる合併症は、状況によっては1ヶ月以上も続くことがあります。従って、最低でも1ヶ月は待って施術を行うことが望ましいでしょう。
ただ、ミラドライ治療後の経過には個人差がありますので、ミラドライの施術を担当した医師の判断に従うことが最善です。

剪除法後の場合

術後の合併症だけでなく、創部の皮膚や皮下組織が受けた手術の影響は、2週間から1ヶ月ほど経過して落ち着いてきます。従って、剪除法後も最低でも1ヶ月、できれば数ヶ月以上待ってから、施術を受けることが望ましいです。
ただこちらも術後経過に個人差があるため、できる限り剪除法を行った医師の判断を仰ぐとよいでしょう。
なお、切開後の傷の状態によっては、傷部分を避けて脱毛施術を行う場合もあります。

【まとめ】わきが手術の後に脱毛の施術はいつからできるの?

わきがの原因や治療法、また治療後の合併症や脱毛施術を受けることができるようになるまでの期間についてご説明しました。
結論から申し上げると、わきがの治療法によって期間は異なりますが、ワキボトックスは約2週間、ミラドライや剪除法後は1ヶ月〜数ヶ月は待つとよいでしょう。ただ具体的な期日は、わきがの治療を行った医師に確認をするようにしましょう。
この記事では、下記のようなことが理解できたのではないでしょうか。

この記事のポイント

  • わきがの原因
  • わきがの治療法(ワキボトックス、ミラドライ、剪除法)
  • わきが治療の合併症
  • わきが治療後に脱毛施術を受けてもよい期間

わきがも脇下の脱毛も、周囲の人には相談しづらいかもしれません。当院では、そのような悩みを持つ方々が前向きな気持ちで生活することができるよう、最大限の支援をいたします。
わきが治療を検討中の方や治療後の方で、医療脱毛を検討中の方は、ぜひ当院までご相談にいらしてください。

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