医師が解説!医療脱毛のメカニズム
公開日:2016年11月12日 更新日:2023年05月15日
東京渋谷原宿トイトイトイクリニックの野田です。
以前、リハビリテーション科、形成外科に所属していた際に、頭部良性腫瘍後の禿創のメカニズム、熱傷後の皮膚組織の再生メカニズム、褥瘡後の皮膚の瘢痕治癒過程を数多く検証した経験から、私なりの脱毛理論を述べたいと思います。
医療レーザー脱毛や光脱毛でメラニンを介して毛根部を熱処理をすると、毛根組織が侵襲を受けて壊死することで永久脱毛になると考えられています。
しかし、人体には自己治癒能力がありますので、処理が不十分だと一時的変性、あるいは部分壊死となり再生してまた毛が生えてきます。
再生初期は毛は一時的に細くなります。
再生治癒の過程は6か月から1年であり、この再生期間で元の太さに戻ると思われます。
つまり、医療脱毛などを考える際には「毛根部の壊死の程度」と「再生過程」を考えなければいけないのです。
再生にはバルジ組織、幹細胞などのまだ医学的に解明されていない部分もあります。
毛髪でもわかるように栄養状態、ストレス、低侵襲の刺激などで簡単に髪の毛は抜けるように、毛包自体は非常に刺激に弱いので、少し毛根部を刺激しただけで毛は抜けると思われます。
この刺激の程度毎に脱毛の経過を説明したいと思います。
※刺激の強弱表現は相対的なものです。
【かなり弱い刺激】家庭用脱毛機など
刺激により毛包が軽度の炎症を起こし一時的に毛が抜ける可能性はありますが、ほとんどすぐに再生して元に戻ると思われます。
もちろん壊死は起こりえませんし、炎症ですら強くなると賠償問題となりますので、家庭用脱毛機は中長期的効果はあり得ません。
【弱い刺激】エステの光脱毛(法律で出力制限)
刺激により軽度の炎症を起こしますが、壊死までは至りません。
刺激後は成長期の毛は炎症により一時的にほとんど抜けると思います。
しかし、変性のみで部分壊死も起こさないため、瘢痕治癒過程も経ずに毛は元の状態に戻ると思われます。
変性の程度、再生能力にも個人差がありますので、元の毛に戻るのに数か月の個人差はあります。
つまり、弱い出力は当てている間は抜けるが、やめると再生力に応じて1か月~12か月程度で元に戻ると思われます。
壊死に至らずに、変性アポトーシスという可能性も考えられなくはないですがほとんどないでしょう。
※法律でエステ脱毛では組織を壊死させることを認めていませんので、今回の私のマクロ脱毛理論では、エステ脱毛はこちらの範疇に入ります。
【中等度の刺激】医療機関での光脱毛
刺激後に成長期の毛はとりあえずほとんど抜けると思われます。壊死の程度により再生できるものとできないものに分かれます。
再生力が強ければ、もとの状態に戻る割合が多くなります。
刺激をやめてから瘢痕治癒過程を経ますので3か月から1年程度かけて生えそろってくる毛もでてきます。
【高度の出力による刺激】医療脱毛(医療レーザー脱毛)
刺激後に成長期の毛はとりあえず抜けます。出力の微調整により部分壊死にとどまるものもあると思われますが、上記よりも完全壊死の割合は圧倒的に多くなります。
よって医療脱毛では再生することができないため、永久脱毛となります。
※肌質、毛質、肌の状態、栄養状態、ホルモン状態、毛周期などにより複雑となります。
2013年8月~11月の4か月間に日本美容皮膚科学会で行われた調査によると、エステでの健康被害のうち41%が脱毛による健康被害であり、18%の人が治療期間1か月以上というデータがあります。
医療脱毛や光脱毛における出力の調整などは個人差に合わせる必要がありますので、医療従事者によるオーダーメイドで行うことが重要です。
万一のリスクにも迅速に対応できる医療機関での処置をお勧めいたします。
当院で使用している医療レーザー脱毛機は、FDA(最も認可の厳しい米国版厚労省)の認可を通っており、正常組織への悪影響、皮膚癌などのリスクはありませんのでご安心ください。
エステ脱毛は一時的な減毛でしかなく、やめたら理論上再生します。エステから当院に来られる方はほとんどが最初から医療脱毛をしておけばよかったと話されます。
ネット上には悩み相談にいたるまで、同業者同士の書き込み、サクラ患者、ステルスマーケッティングでいっぱいです。
エステ脱毛と医療脱毛の違い、減毛と永久脱毛の違いを正しく理解することが重要ですね。
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トイトイトイクリニック