脱毛の施術中のくすぐったいはこれで解決
公開日:2018年04月22日 更新日:2022年08月31日
脱毛の施術中には、普段他人に触れられることのない部分に触れられたり、レーザーの照射などいつもと違う刺激を受けたりします。
くすぐったいと感じやすい方にとって、脱毛中にどれくらいくすぐったくなるのか、刺激に耐えられるのかなど不安になると思います。
けれど、あらかじめくすぐったいと感じるメカニズムや対処法などを知っていれば、くすぐったさを軽減して脱毛することも可能です。
この記事では、「人はどうしてくすぐったさを感じるのか?」そのメカニズムをベースとして、脱毛中のくすぐったさを軽減する方法について解説します。
この記事を読むことで、脱毛の施術時に起きるかもしれない、くすぐったさの理由や対策が理解でき、下記のような疑問や悩みを解決することができます。
こんな事がわかる
- 脱毛の施術でくすぐったいと感じることの多い部位は?
- 脱毛の施術でくすぐったくなることの多い工程は?
- 脱毛の施術中のくすぐったさを軽減するにはどうすればいいのか?
脱毛の施術でくすぐったく感じる部位は?
脱毛の施術には全身脱毛のほか、希望の部位のみ脱毛をするプランなど多種多様に取り揃えてあります。もし脱毛したい部位がくすぐったさを感じやすい部位だと、不安に感じるかもしれませんね。
くすぐったいという感覚には個人差がありますが、そもそもなぜ人はくすぐったさを感じてしまうのでしょうか。
そのメカニズムとどのような部位でくすぐったさを感じやすいのか、についてみていきます。
なぜくすぐったく感じる?
人はどうして、くすぐったく感じてしまうのでしょうか。
このくすぐったさについては、まだまだ解明されていないことも多く謎に包まれた感覚でもありますが、特徴を3つご紹介します。
動脈と皮膚表面との距離が近い部位
血液を運ぶ動脈が皮膚の表面から近い場所だと、人はくすぐったさを感じやすい傾向にあるといわれています。
動脈と皮膚表面との距離が近いということは、人間にとって急所になり得る大切な場所ともいえます。もしこの部位を切られたら、血管が簡単に傷つき致命傷となります。
人間にとってダメージを受けたくない場所であるため、危険が迫っていることをいち早く感知するために、この「くすぐったい」という感覚が瞬時に脳に伝わり、危険を回避する役割も担っていると考えられています。
予測できない外部刺激
2つめにくすぐったいという感覚は、予期しない刺激が加えられたときに生じやすいという傾向があります。
例えば、自分で自分の身体をくすぐっても、くすぐったいとは感じませんが、他人にくすぐられるとくすぐったいと感じますね。
自分でくすぐった場合は、次にどのような動作をするのかを脳がわかっているので、身体はその動きに対して「くすぐったい」といちいち反応しません。しかし、他人の動作は予測できないので、くすぐったいと感じるのです。
このように、くすぐったさは予測できない外部刺激によって生じやすい感覚といえます。
心理的距離感によるもの
3つめにくすぐったさはときには快であり、ときには不快であるという両極端な感覚を持ち合わせているという特徴があります。くすぐったさは、くすぐっている他人との心理的距離感によって左右されるからです。
例えば、お母さんが子供をくすぐるとき、子供は笑いながら母親とのスキンシップを楽しみます。親しい人にくすぐられると快に感覚が傾き、より一層くすぐったさを感じるといわれています。
対して、嫌いな人や知らない人にくすぐられると不快に感じるだけで、くすぐったさはさほど感じないともいわれています。このように、くすぐる人とくすぐられる人との関係性によって、くすぐったいという感覚自体が変化するという特徴もあります。
施術中くすぐったさを感じやすい部位は?
では、施術中くすぐったさを感じやすい部位はどこなのでしょうか。
前述の通り、くすぐったさを感じやすいのは、人間にとってダメージを受けると困る大事な場所です。
首やうなじ、脇、腹部には大きく太い動脈があり神経も多く分布しているため、くすぐったさを感じやすい部位といえます。ほかにも背中、腰、太ももの内側にくすぐったさを感じるという方も多いでしょう。
これらの部位は、脱毛においても施術希望の多い部位であり、全身脱毛にもこれらのパーツを施術プランに組み込んでいるクリニックやサロンが多い傾向にあります。
例えば、他の部位よりも産毛が濃いうなじの脱毛は、アップスタイルやショートカットなどのうなじが見えやすいヘアスタイルのときに、意外と目につきやすい部位で人気の高いプランです。
くすぐったさを感じやすい部位でもありますが、施術する価値のあるパーツともいえます。
脱毛のどの工程がくすぐったい?
くすぐったさを感じやすい部位には個人差がありますが、前述した部位の感覚が一般的に鋭くなってしまうことがわかりました。
では脱毛のどの工程において、くすぐったさを感じやすいのでしょうか。脱毛の施術工程の順にご紹介します。
シェービング
脱毛でレーザーや光を照射する前に、事前処理として剃毛する必要があります。
自己処理は基本的に施術日の前日か当日の朝までには自宅で済ませることになっていますが、剃り残しがある場合や背中やうなじなど自己処理が難しいパーツは、施設でスタッフのシェービングを受けることになります。
このシェービングのサービスは施設によって有料、無料と対応が異なります。しかし、背中やうなじは自己処理が難しいので無料で剃毛してくれるところが多いでしょう。
自分でシェービングをするときはくすぐったいと感じなくても、他人がシェービングをすると、とてもくすぐったく感じてしまいます。
前述のとおり、自分でシェービングする場合は頭で次の動作が予測できているため、くすぐったく感じません。しかし、他人の動作に対しては次にどのように動くのか、どこに電気シェーバーを動かすのかなど予測できません。そのため他人に触られたり、シェービングされたりすると、予期せぬ刺激が起きるので「くすぐったい!」と感じてしまうのです。
ジェルの塗布
レーザーや光を照射する前、施術する部位に肌の冷却や保護のためにジェルを塗布します。使用する脱毛機によってはジェルを塗布する必要のないものがあるので、必ず塗布するわけではありません。
このジェルもスタッフが塗るうえ、ジェル特有のヒヤッとした感覚があり、くすぐったく感じるでしょう。
レーザーや光の照射
脱毛の本番の工程であるレーザーや光の照射では、くすぐったさよりも痛さが勝るかもしれません。
しかし、出力の調整により弱くした場合は軽い痛みになるため、くすぐったいと感じることもあるでしょう。その日の身体のコンディションや皮膚の状態によって、痛みやくすぐったさも変化します。
もし痛すぎる、くすぐったすぎるなど感じた場合は、遠慮せずにスタッフに伝えましょう。
身体を触られたとき
施術に関わらず、肌や毛の状態を確認する際、スタッフが肌を触ることがあります。また、照射しづらい部位に差し掛かると、指で皮膚を押さえたり伸ばしたりしながら照射することもあります。
このとき、触られることを予測できていないために、より一層くすぐったく感じるかもしれません。
冷却ジェルや保湿クリームを塗ってもらうとき
照射が終わると、熱を帯びた肌を冷却して落ち着かせる必要があります。また、レーザーによる熱で皮膚の乾燥が進むため、保湿クリームなどで肌のうるおいを補い肌が回復するのを促します。
この工程もジェルの塗布と同じように、スタッフにジェルやクリームを塗ってもらうため、くすぐったく感じやすいでしょう。
脱毛の施術時のくすぐったいはこれで解決!
脱毛ではスタッフがジェルの塗布やレーザーの照射などをしていくため、くすぐったく感じるような場面がいくつかあります。
くすぐったく感じやすい方は、なんとか耐えなければと思うと余計に不安に感じることでしょう。
では、くすぐったさを感じないようにする解決策はあるのでしょうか。脳の機能の特徴を踏まえた解決策も、併せてご紹介します。
事前処理を徹底する
脱毛の工程でくすぐったさを感じやすいのは、シェービングといわれています。
背中やうなじなど自己処理が難しく、基本的にスタッフにシェービングしてもらう部位に関しては、我慢する必要がありますが、それ以外の自己処理が必要な部位については、剃り残しがなければシェービングをしてもらう必要がありません。そのため、正しく丁寧に事前処理をすれば、他人にシェービングしてもらうこともないので、くすぐったい工程であるシェービングを省くことができます。
他人にしてもらうシェービングほど、くすぐったいものはありません。自己処理を完璧にして、この工程自体を回避してしまいましょう。
施術スタッフに相談しておく
くすぐったさを感じやすい方や特定の部位だけくすぐったい方は、事前に施術スタッフに伝えておきましょう。スタッフもいつも以上に患者さんの肌や特定の部位に触れないように気にかけ、手早く施術をしてくれることでしょう。
また、「自分がくすぐったがりだということを相手が理解してくれている」と思うだけでも精神的に安心できるため、くすぐったさも軽減されるでしょう。
ある脳科学の研究で、くすぐっている相手の手の上に自分の手を置くことで、くすぐったさが軽減されたという結果が得られました。これは、相手の手の上に自分の手を置くことで、自分がくすぐっていると脳が錯覚を起こし、くすぐったさを感じにくくなった現れだそうです。
施術中のスタッフの手の上に、自分の手を置くことはなかなか難しいかもしれませんが、このような方法もあるので頭の片隅にでもおいてみてください。
照射や触る前に一声かけてもらうようにする
くすぐったさは、予期しない刺激が起こると感じやすいものです。そのため、事前に「これから照射しますよ」「わき腹を触りますよ」などと、肌に触れる前にスタッフに一声かけてもらうようにお願いしてみましょう。
こうすることで「次に何が起こるのかわからない」という予測できない刺激を減らすことができるため、不安を感じることもなくなり、くすぐったさ自体も感じにくくなります。
とくに、顔脱毛などでアイマスクをした状態だと視覚が遮断されるため、より一層不安感が増し、くすぐったさを感じやすい状態になります。アイマスクなどで目隠しをする状態のときは、次にどんなアクションを取るのかスタッフに一声かけてもらうようにしましょう。
意識を施術から逸らす
施術中、刺激を受けている部位に意識を向けるとその感覚が鮮明になり、より一層くすぐったさを感じやすくなります。そのため、皮膚の刺激を察知した神経に自分の意識が集中するのを避ける必要があります。
そこで、頭の中では脱毛とは関係のないことを意識的に思い浮かべたり、寝てしまったりなどして、皮膚が察知している刺激から意識を逸らしましょう。
脱毛の後の予定や楽しかった思い出など、自分にとってより楽しいと思える事柄を思い浮かべるようにすると、意識を逸らしやすくなりますよ。
ジェルを使わない脱毛機器を選択する
脱毛機器の種類によって、ジェルを使わないものがあります。とくに、医療脱毛で使われる医療レーザー脱毛機は、ジェルを使わないものがあります。
脱毛機器から冷却ガスが噴射されるため、痛みを抑えたり、肌を守るためにジェルを塗る必要がないのです。ただし、部位によってはジェルを塗る場合もあるため、必ずしもジェルを塗布しないとは限りません。
あらかじめ、カウンセリング時にはジェルを塗布する必要のある脱毛機器なのかなど、脱毛に使用する機械について聞いてみるのもいいでしょう。
ジェルを塗布する工程を省くことができれば、くすぐったさを感じる場面をより少なくすることができますね。
くすぐったさを軽減する方法はある!
脱毛の施術中に、くすぐったく感じる理由と対処法について解説しました。
脱毛時のくすぐったさは「耐えるしかない!」と思うと、忍耐でしか対処できないため、より一層不安を感じてしまうでしょう。しかし、くすぐったさを感じるメカニズムを理解していれば、その感覚を生じにくくする工夫も可能になります。
実際に、くすぐったさを回避したり軽減したりする方法や手段はあるので、耐えるだけという状態よりは、安心して施術にも臨めるはずです。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか?
この記事のポイント
- 動脈と皮膚表面が近い部分やダメージに弱い部分ほど、くすぐったく、予測しない刺激だとさらに感じやすくなる
- 感じ方には個人差があるが、首やうなじ、脇、腹、背中や腰、太ももの内側をくすぐったいと感じやすい
- シェーピングやスタッフの指が肌に触れるときに、くすぐったいと感じることが多い
- 自己でできる対処法には、事前の自己処理の徹底、施術中に意識を脱毛から逸らすなどがある
- くすぐったく感じやすいことをスタッフに相談し、事前の声掛けなどの対応をしてもらうとよい
安全に効率よく脱毛するためには、施術中に急に動いたりするのを控えなくてはなりません。くすぐったいと感じやすい方は、あらかじめクリニックに相談しておきましょう。
トイトイトイクリニックでは患者様の負担を軽減できるよう、事前の声掛けを徹底する、触れる時間や回数をできるだけ減らして施術を行うなどの対応をさせていただきます。
参考文献
志賀隆. 「くすぐったい」感覚の脳内情報処理機構の解明. (参照 2021-5-11)
鈴木万葉 山下光. くすぐり刺激の予期がくすぐったさの知覚に与える影響. 愛媛大学教育学部紀要. vol.63, no., p.109-112. 2016-10-31. (参照 2021-5-11)