レーザー脱毛による発がん性のリスクはあるの?

公開日 公開日:2021年07月19日 更新日 更新日:2023年10月12日

レーザー脱毛による発がん性のリスクはあるの?

永久脱毛のためにレーザー治療を受けてみたい方が、ためらってしまう理由の1つが副反応です。
紫外線には発がん性があるため、「レーザー光にも発がん性があるのではないか?」と心配される方がいらっしゃいます。
実際に医療脱毛のレーザーには、発がん性があるというウワサを耳にした方もいるかもしれません。
しかし、本当にレーザー脱毛でがんが誘発するリスクはあるのでしょうか?
この記事では、レーザー脱毛による発がん性のリスクについて、最新の研究論文を取り上げて解説します。
この記事を読むことで、レーザー脱毛と発がん性の関係について理解し、下記のような疑問や悩みを解決できます。

こんな事がわかる

  • レーザー脱毛のレーザーには発がん性があるのか?
  • レーザー脱毛のレーザー光と紫外線の違いは?
  • レーザー治療による発がん性のリスクを下げるにはどうすればいい?

レーザー脱毛による発がん性のリスクはない

結論から言うと「レーザー脱毛による発がん性のリスクは極めて少ない」といえます。
まず医療レーザー脱毛に使われているレーザーそのものは、皮膚に対する安全性を十分考えられたレーザーであり、レーザー自体に発がん性はありません。
よく発がん性や有毒性で知られている光線として「紫外線」がありますよね。その波長は皮膚のタンパク質によく吸収される280 nm~400 nmのことを指します。この波長の光は皮膚のタンパク質に吸収されて化学反応を起こすことがあり、肌の遺伝情報 (DNA)を損傷させることで、がんを誘発させる作用があります。
そのため日差しが強いときのUVケアは、皮膚がんを予防するためにとても大切です。
一方、レーザー脱毛で使用される波長はメラニン色素に選択的に吸収されやすい波長であり、短いもので694 nm、長い波長でも1064 nmの波長をもちます。
これらの波長は肌のタンパク質に直接作用を及ぼさないので、発がん性のリスクは極めて少ないといえるでしょう。

レーザー脱毛のメカニズムは?

では、なぜレーザー脱毛で使用される波長は通常の光とは大きく異なり肌に優しいのか。それは、レーザー脱毛のメカニズムを知ることが必要です。
そもそもレーザーとは「ある一定の波長をもつ光だけを抽出してエネルギーを増幅した光」のことです。
例えば、「○○nm」の波長をもつ光だけなので、レーザー光にはそれ以外の波長の光はありません。
それぞれの波長だけ増幅すると、その波長をよく吸収しやすい物質とそうでない物質にわかれます。レーザー光で抽出された波長は、どれも黒い色素の代表である「メラニン」によく反応するレーザー光です。一方、肌の通常の色素である、いわゆる「肌色」には反応しにくくなっています。
レーザー脱毛は「黒色」と「肌色」の吸収率の違いを利用し、毛根に熱エネルギーを発生させて根本から永久脱毛していきます。
熱エネルギーを加えられた毛根は、毛の増殖に必要な細胞分裂が出来ないので、同じ場所に毛が生えることはありません。
これがレーザー脱毛の仕組みです。
つまり「毛根のメラニン色素だけに反応する波長のみを使うレーザー光なら、肌のタンパク質に影響を与えることが少なく、発がん性は極めて低い」といえるわけです。

レーザー脱毛の発がん性が極めて低いと言える、科学的な根拠

実際にそれを裏付ける臨床データもあります。
2005年に行われた韓国の研究で、紫外線照射したマウス、レーザー光照射したマウス、レーザー光と紫外線照射をしたマウス、未治療のマウスを比較し、皮膚腫瘍が発生するかどうかを調べました。
すると、レーザー治療を受けたかどうかに関係なく、紫外線照射を受けたマウスにだけ皮膚腫瘍が発生し、未治療のマウスやレーザー光のみを照射したマウスには皮膚腫瘍は発生しませんでした。
彼らは同研究で「レーザー治療の波長は、紫外線の範囲の発がん性スペクトルの外にあり、レーザー治療だけでは発がん性の可能性がない」ことを提唱しています。

またレーザー脱毛の悪影響を調べたレビュー論文では、これまで25年以上のレーザー治療の使用で治療後の黒色腫の事例がわずかにあるだけで、長期的な安全性に影響が及ぶことはないとしています。
また同論文では、高強度のレーザー光を繰り返し照射しても(同研究では6か月に52回照射)しても、発がん性または腫瘍発生を増やすことはありませんでした。

このように、レーザー治療は過去25年にわたって日々安全性が検証されていますが、長期間にわたって発がん性との関連は指摘されておらず、高い安全性をもつ治療といえるでしょう。

発がん性に関するレーザー治療の使用上の注意点

ただし大手をふって、どんなレーザー治療でも問題ないかというとそうではありません。
例えば、レーザー治療の副作用や合併症の1つに「火傷(やけど)」があります。
レーザー光は、メラニン色素に強く反応するように調整されているので、メラニン色素がない通常の肌にはダメージが少なく、メラニン色素がある毛包だけに効率的に熱エネルギーを発生させることができます。
熱エネルギーを加えている・・・ということは、言ってしまえば毛包の中にだけ小さな「火傷」を起こしているようなもの。火傷自体はとても小さいので、人間の自然治癒能力で時間とともに良くなっていきます。
これが、さまざまな原因が重なって、火傷が自然治癒能力で収まる範囲を超えると、「火傷」として治療が必要になることがあるのです。
こうした火傷と発がん性との可能性は長年にわたって研究されており、いくつかの論文で火傷からがんが発生しやすくする可能性があることが示唆されています。

このように、レーザー脱毛自体で発がん性はなくても、レーザー治療の照射が適切に行われなかったり、炎症が起きている肌に照射することでレーザー脱毛に伴う合併症が起こったりすると、発がん性が誘発される可能性があるので注意が必要です。

レーザー脱毛による発がん性が心配な方にオススメなこと

では、レーザー治療で発がん性をなるべく少なくするにはどうすればよいのでしょうか。以下の方法があげられます。

信頼できるクリニックを見つける

最も大切なことは「合併症が少ないクリニックを見つける」こと。
レーザー脱毛での火傷はクリニック側の施術も大きく関わるので、クリニックとのコミュニケーションが大切といえます。
例えば火傷を起こさないために、クリニックをみるポイントとして下記は特に大切です。

  • 施術前に火傷のリスクについて十分説明されているか
  • 火傷を起こしてしまった時のケアについて説明しているか
  • 施術前に自分の肌の状態を確認しているか

実際火傷については、クリニック側も細心の注意を払っており、十分なコミュニケーションが大切なこともわかっています。逆に十分な説明がされないということは、対処が不十分な可能性もあり注意したほうがよいでしょう。

レーザー脱毛前後の肌のメンテナンスが大切

レーザー治療を受ける上で、肌をメンテナンスしておくと合併症を減らすことができます。具体的な肌のメンテナンス方法は次の通りです。

紫外線を浴びないようにしましょう

先の研究の通り紫外線は皮膚がんを誘発させますし、紫外線も傷ついた肌にとって大敵になります。特に紫外線の中の UVB が肌のDNA に直接作用して、肌のバリアを悪化させることが言われています。
特に 7 月~10 月は紫外線も多くなるので、できるだけ外出を控え、日焼け止めクリームや日傘などをして、肌を紫外線から守るようにしましょう。日焼け止めクリームも紫外線の程度に合わせて、皮膚に負担を与えないようにするとよいでしょう。

ムダ毛処理の時は特に注意しましょう

ムダ毛処理は、洗い方以上に気を付けるべきポイントです。 直接刃が肌にあたるので、一番ダメージが受けやすくなります。
傷ついている部分は触れないようにしながら、刃は毛の流れに沿って(順剃り)行うようにしましょう。
カミソリよりも電動シェーバーのほうが肌を傷つけにくいです。さらに、刃数が多いほうが望ましいでしょう。
レーザー脱毛は数か月おいて、何回か行う必要があります。その間の毛の処理は毛嚢炎を起こさずにすると、毛穴に雑菌が入り込まない環境を作ることができます。

普段から保湿を心がけましょう

肌のメンテナンスで最も大切なのは保湿。
保湿することで角質にバリアが働き、火傷などの合併症が仮にできても最小限に抑えることができます。
特に脱毛予定の場所は普段から保湿でメンテナンスし、こすったり、かいたりなどして、肌のバリアを壊さないようにすることが大切です。

レーザー脱毛後の肌の洗い方が大切

肌は常に清潔に保ってほしいのですが、その中でも気をつけていただきたいのが、肌の洗い方です。
脱毛した部分は非常にデリケートになっています。以下の点が、守っていただきたい洗い方の注意点です。

  • スポンジやナイロンタオルでこすって洗わず、手でやさしく洗いましょう。
  • 泡をつかって優しく洗いましょう。石けんも低刺激性の石けんをつかった方が望ましいです。
  • シャワーの流速も強く刺激しないようにしましょう。温度も重要で、40℃以上だと皮膚の乾燥がすすみ、バリア機能が低下します。ぬるめに設定しましょう。

レーザー脱毛後の激しい運動は数日間控えましょう

レーザー脱毛で使用する光が肌に優しい波長の光だとしても、多少なりとも肌にダメージがあります。そこで激しい運動をすると、肌を修復するのが遅れたり、毛穴に汗がつまって毛嚢炎(毛穴に雑菌が入り炎症が起きること)がおこったりして、合併症につながります。

レーザー光の出力を弱めに設定するようお願いする

前述の通り、レーザー光はクリニック側で調節することができます。
レーザー光による合併症でがんが誘発されることがどうしても心配な方は、事前にレーザー光を弱めに設定してもらうことで、合併症率を少なくすることができます。
また肌の調子が悪い時は、日程を延期することも合併症を減らすのに大切なこと。
もちろんレーザー光の出力を弱く設定した分、回数を通わないといけない可能性がでてきますので、手間とお金がかかることに注意が必要です。

【まとめ】レーザー脱毛による発がん性のリスクはあるの?

レーザー脱毛後の発がん性のリスクについて、臨床データを使って詳しく解説していきました。
また、発がん性のリスクを下げる方法についてもふれてきました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか?

この記事のポイント

  • レーザー治療だけでは、発がん性が誘発される可能性は極めて少ないといえる
  • レーザー光は紫外線と波長が違いタンパク質に直接作用を及ぼさないため、発がん性が極めて低いといえる
  • レーザー脱毛による火傷の合併症が起きた場合、発がん性を誘発する可能性もある
  • レーザー治療による発がん性のリスクを下げるには、紫外線などの外部刺激を避け、保湿をしっかりと行うことが大切

レーザー脱毛による発がん性のリスクを下げるには、アフターケアを徹底している信頼のおける医療機関を選ぶことが大切です。
トイトイトイクリニックでは、レーザー脱毛による合併症が起こらないよう最善の施術を行い、万全のアフターフォローを整えております。レーザー脱毛に関してご不安な点がございましたら、無料カウンセリングにてお気軽にご相談ください。

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