妊娠・授乳中は脱毛できる?妊娠前に済ませたい理由と産後に受けるタイミング
公開日:2018年03月17日 更新日:2024年05月24日
クリニックやサロンでの脱毛は短期間で終わらないため、その間に妊娠・出産する女性もいることでしょう。
では、脱毛期間中に妊娠が判明したらどうすればよいのでしょうか。また、産後どれくらい経ったら脱毛を始められるのでしょうか。
この記事では、妊娠中・授乳中の脱毛の可否や脱毛期間中に妊娠した場合の対処法、妊活脱毛のメリットや産後の脱毛開始時期などを解説します。
この記事を読むことで、妊娠・出産・産後という身体の変化が著しい時期の脱毛について理解が進み、下記のような疑問や悩みを解決します。
こんな事がわかる
- 妊娠中・授乳中に脱毛を避けるべき理由
- 医療脱毛が胎児や母体に与える影響
- 脱毛期間中に妊娠が判ったらどうすればいいの?
- 妊活脱毛って何?
- 産後に脱毛を再開できる時期は?
目次
妊娠・授乳中は脱毛できる?答えはNO!
妊娠または授乳中には、脱毛しないほうがいいといわれています。では、どのような理由から勧められていないのでしょうか。
せっかく時間とお金をかけるからこそ、脱毛するのに適したタイミングで受けたいものですね。なぜ妊娠、授乳中には脱毛をしないほうがいいのか、その理由を4つご紹介します。
ホルモンバランスの変化で肌が荒れやすくなる
女性の身体は卵胞ホルモンであるエストロゲンと、黄体ホルモンであるプロゲステロンという2種類の女性ホルモンの影響で月経が起こります。
排卵前になるとエストロゲンの分泌が盛んになり、排卵を過ぎるとプロゲステロンが増えます。この2つのホルモンの分泌の変化によって月経が起こり女性の身体に変化をもたらしますが、妊娠するとこの2つの女性ホルモンの分泌は減少することがなくなり、出産までひたすら増え続けます。
分泌に増減のあったホルモンが分泌され続けるため、女性の身体は大きく変化していきます。特に、エストロゲンはメラニン色素の生成を促進するため、色素沈着やシミ、そばかす、肝斑ができやすくなります。そのため、デリケートゾーンや胸が黒ずみやすくなるのです。また、プロゲステロンには、皮脂の分泌を促進する働きがあるのでニキビなどできやすくなります。
このようにホルモンの影響で肌が極端にデリケートになるうえ、脱毛による刺激が加わることで肌トラブルを起しかねません。また、授乳中も同じようにホルモンバランスは安定していません。妊娠、授乳中は通常より肌がデリケートになっているので、脱毛には適さない時期といえます。
トラブルが起きても薬を服用できない
妊娠すると体内の血液量は通常の最大1.5倍ほどになるとされ、体内の水分量も多くなります。しかし、水分の大半が羊水や胎児の成長に使われるので、肌の水分量は減り乾燥しやすくなります。そのため、肌のバリア機能は働きにくくなり、通常よりも敏感で刺激に弱い状態になります。
このように妊娠すると肌質が変わり刺激に弱くなるため、脱毛によるダメージが強すぎ、思わぬトラブルに発展する場合があります。また、妊娠すると免疫力が低下するため、ガンジタ症や外陰部掻痒症(がいいんぶそうようしょう)などのデリケートゾーンのかゆみを伴う病気にかかりやすくなります。
このようにトラブルが起きやすい状態になるにもかかわらず、妊娠、授乳中は処方できる薬に制限があります。薬の服用によってお腹の胎児に影響したり、母乳を介して赤ちゃんに薬の成分が伝わってしまったりと赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼしかねません。
妊娠、授乳中は薬を服用しなくても済むように、できるだけトラブルを避けることが大切です。
脱毛によるストレスの影響が大きい
妊娠や授乳中のストレスは大敵です。安静に穏やかに過ごすことが大切であるこの時期にストレスを溜めると、母体のみならず赤ちゃんに影響を与える可能性があるとされています。
脱毛ではレーザーや光を照射する際、痛みを生じます。妊娠や産後などの身体が敏感な時期は痛みをより強く感じるため、痛み自体が大きなストレスとなります。また、脱毛時の体勢が負担となって、陣痛を誘発してしまう恐れもあります。とくにVIO脱毛では足を広げたり腰を浮かしたりといった体勢をキープする必要があるため、身体に負担をかけてしまいます。
脱毛に伴う痛みや体勢が、思わぬトラブルを引き起こすリスクがあるのです。
脱毛効果が得にくい
妊娠すると、ホルモンの変化と新陳代謝の活発化によって毛周期が乱れます。そのため、毛が濃くなったり、毛量が増えたり、抜け毛が多くなったりします。
出産後はエストロゲンが急激に減少するため、頭髪を含め毛が抜けやすくなります。髪のボリュームが減って、薄毛に悩むお母さんが増えるのもこの時期。しかし、半年ほど時間をかけて自然に回復していくので問題ありませんが、出産直後は毛が抜けやすくなります。
また、授乳中には母乳の分泌を促進するため、脳の下垂体からプラクチンというホルモンが多く分泌されます。このホルモンには毛の成長を促す作用もあるため、体毛が濃くなります。
このように妊娠、出産直後、授乳中はホルモンの変化によって毛周期が大きく変化するので、脱毛効果を得にくい期間といえます。毛周期が安定したタイミングで脱毛することで、しっかり毛根を破壊することができるので、ホルモンバランスが安定するのを待って脱毛をしましょう。
脱毛期間中に妊娠がわかったらどうする?
脱毛期間中に妊娠が発覚することもありますね。こんな場合は、どうすればいいのでしょうか。長期に及ぶ脱毛だからこそ、妊娠がわかったときのサービスが用意されている場合があります。
しかし、クリニックやサロンによって対応はさまざまです。せっかくのうれしい事実でもある妊娠。焦らなくて済むよう、詳しくチェックしておきましょう。
クリニックに相談する
妊娠していることがわかったら、すぐに通っているクリニックやサロンに相談しましょう。
妊娠すると脱毛を継続せず施術を中断することになりますが、妊娠が発覚した後の対応はクリニックやサロンによって異なります。クリニックによってはすぐに一時中断して、産後落ち着いてから脱毛を再開できる、休止制度を設けているところもあります。また、脱毛の有効期限が1年間延長できるなど、サービスが異なるため必ず確認するようにしましょう。
妊娠の予定がある方は、契約前に妊娠による休止や中断、解約について契約書やホームページなどで確認しておくと安心ですね。理由が妊娠の場合、解約金がかからない、休止制度が適用になるなど対応が異なります。契約前に確認しておくことで、安心して通院することができるでしょう。
医療脱毛は胎児や母体に影響はない
医療脱毛で使われるレーザーは、お腹にいる胎児には悪影響があるといった報告は現在のところありません。
脱毛に使われるレーザーはメラニン色素に反応して熱を帯び、そのエネルギーで皮膚の表面にある毛母細胞と呼ばれる発毛組織を破壊します。レーザーの光はあくまで皮膚表面の毛根の黒さに作用するものなので、肌の奥には届きません。医療脱毛に使われる医療機器から照射されるレーザーの波長は694nmから1064nmで、肌の表面から1㎜から4㎜程度までしか届かないとされています。そのため、VIO脱毛などで子宮の近くにレーザーを照射したとしても、子宮に影響を及ぼすこともないでしょう。
しかし、胎児への影響という点では解明されていないことも多く、妊娠時には注意が必要です。医療機関では妊娠時の脱毛施術は基本的には行わないことから、妊娠がわかったら、すみやかに医師やクリニックに相談しましょう。
妊娠前が最適!妊活脱毛はメリットがいっぱい
妊娠、授乳中はホルモンバランスが不安定で、脱毛にはリスクがあり脱毛効果を得られない時期だということがわかりました。
では、女性にとって脱毛するのはどのタイミングが最適なのでしょうか。
それは「妊娠する前」ということになります。
近年では、妊娠に備えてデリケートゾーンを脱毛する「妊活脱毛」という言葉まで誕生しました。この妊活脱毛にはどのようなメリットがあるのか、詳しくご紹介します。
通院時のストレスが少ない
妊娠すると産婦人科に通院し内診とよばれる膣内の触診や、膣鏡診とよばれる膣内の観察など陰部をさらす機会が頻繁にあります。そのため、アンダーへアが整ってないことが気になったり、診察前の自己処理が億劫になったりと、診察日のたびにストレスを感じるようになりがちです。
この点、VIO脱毛が完了していれば、きれいに整った状態で診察に臨むことができるので気持ちが楽になるでしょう。また、面倒な自己処理をする必要もないので、妊娠中のデリケートな皮膚に負担をかけることもありません。
お腹が大きくなると、デリケートゾーンの自己処理そのものが難しくなります。ムダ毛を処理してできるだけ衛生環境を整えたい時期でもあるので、妊娠前にVIO脱毛をしておくと自己処理による負担が大幅に軽減され安心して出産を迎えることができるでしょう。
出産時のケアが容易
出産の際、赤ちゃんを出やすくするために会陰切開とよばれる処置をすることがあります。
会陰が硬く伸びが悪いと赤ちゃんが出づらくなるだけでなく、皮膚が裂けると傷が治りにくくなるため、裂ける前に会陰を切開する場合があるのです。このとき、アンダーヘアが伸びていると処置がしにくいだけでなく、傷口が炎症したり雑菌が繁殖したりと産後の回復にも影響してしまいます。
その点、VIO脱毛がされていると処置もスムーズに進むうえ、雑菌が繁殖しやすいアンダーヘアがないため、皮膚を清潔な状態に保つことができます。デリケートゾーンの毛がないことが医師の処置を助け、産後の自分の身体を守ることにも繋がります。
産後の衛生環境を整えられる
出産を終えると、悪露とよばれる分泌物が排出されます。これには子宮に残っていた血液や胎盤、リンパ液などが混ざっており、生理の出血に似ています。大きく膨れていた子宮が収縮し妊娠前の状態に戻る過程で排出される悪露は、子宮の回復とともに終わります。いつ終わるのかは個人差がありますが、6週間くらいで止血します。
この期間中、悪露専用の産褥パッドやナプキンを変える必要があり、デリケートゾーンは非常にムレやすくかぶれやすい状態になります。アンダーヘアが伸びているとさらに臭いやムレを助長してしまうため、ムダ毛が処理されていると清潔な環境を保ちやすいといえます。
ホルモンバランスも安定しておらず、肌トラブルを起しやすい時期でもあるので、雑菌の増殖につながるアンダーヘアを処理しておくことが大切です。
産後はいつから脱毛できる?
妊娠中、授乳中は脱毛に適したタイミングではありませんでした。
では、産後はいつから脱毛できるのでしょうか。脱毛を始める、もしくは休止していた脱毛の再開について、その目安となるタイミングをご紹介します。
授乳が終わってから
前述のとおり、授乳中はプラクチンが分泌されるので多毛化が起こりやすい時期といわれており、授乳が終わるとホルモンバランスも整い脱毛の効果も得られる状態になります。そのうえで、体調が安定したと感じられるなら脱毛を検討してもいいでしょう。
しかし、授乳が終わったとはいえ身体が万全な状態ではなく、回復には個人差があります。まずは体調の変化を注意深く観察して、医師と相談してから始めるようにしましょう。
生理が再開してから
生理の再開はホルモンバランスが整ってきたサインでもあります。ホルモンバランスが整うと、毛周期も安定するため脱毛の効果も得られるようになります。
生理が再開して気力も体力も落ち着いたら、脱毛を始めてみましょう。
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【まとめ】妊娠・授乳中は脱毛できる?妊娠前に済ませたい理由と産後に受けるタイミング
妊娠・授乳中の脱毛の可否や医療脱毛が胎児・母体に与える影響、妊活脱毛のメリットや産後に脱毛再開できる時期などについて解説しました。
この記事では、下記のようなことが分かったのではないでしょうか。
この記事のポイント
- 妊娠・授乳中の脱毛は避けるべき
- 医療脱毛が母体や胎児に悪影響を及ぼすという報告はない
- 脱毛期間中に妊娠が判った場合は、すぐに医師やクリニックに相談する
- 脱毛は妊娠前に完了させるのが理想
- 出産後の脱毛は、卒乳後・生理再開後に体調が安定してからが安心
妊娠や出産など体の変化に合わせて脱毛時期を選べば、トラブルを避けつつよりよい脱毛効果が期待できます。
新しい命の誕生を心から楽しむためにも、妊活脱毛を検討してみてはいかがでしょうか。